■無意識のうちにお上任せ?
先日、遊んだ帰りに電車から駅に降りて階段に向かっていたら、いきなり「ガンッ」と重い音がして、すぐに人が壁に頭をぶつけて倒れている姿が目に入り込んできました。あまりに大きな音でびっくりしたので、一緒にいた友達と歩み寄って、そのサラリーマンらしき30歳くらいの男性に大丈夫ですかと声をかけて介抱していた。貧血で倒れてしまったようで、その後しばらくしても立てそうになかったので、駅員さんを呼んであとのお世話はお願いして僕らはその場を後にしました。
僕らの他にも、一緒に介抱をしていた方もいた一方で、見向きもしないで通り過ぎて行く人たちもいた。ここで彼らのことを責めたいのではなくて、それとは別に、そういう行動の背後には、困っている人や助けを必要としている人は、駅では駅員さんが、普段の生活圏では警察かお役所が何とかしてくれるだろうという、暗黙のルールがあるんだなということを改めて強く実感しました。例えばホームレスの方についてはどうでしょう。僕も新宿駅を歩いていてホームレスの方を見かけることがありますが、特に何も思うこともなく、通り過ぎてしまいます。国が失業手当なり生活保護手当によって最低限の生活は保証されている、だからここには僕らの出る幕はない。そんな思考が無意識のうちに働いているように思います。
でも、「生活に困っている人は国が助けるものだ」という暗黙のルールはどこからきているのでしょうか。身内以外の人間を助ける必要はないし、それは国の役割であるという信仰は未だに日本社会においてマジョリティを成している印象があります。ですが、こういう考え方は古くなるかもしれません。
■他人事ではない:例えば失業と介護のリスク
なぜでしょうか?一つは失業者が今後増える可能性があることです。田村耕太郎さんの一連のツイートをまとめてみますと、facebookの時価総額はボーイング社を間もなく越えると言われているそうです。facebookの従業員は3200人。ボーイング社の社員は17万人。業種こそ違えど、これからテクノロジーによって雇用は急激な変化を迎えるでしょう。近未来の雇用問題は深刻になるかもしれません。(関連記事:中流階級の雇用喪失の危機)←なんか暗くてごめんなさい。
もう一つの理由は、ずっと言われてきていることですが、介護を必要とする高齢者の増加とそれに伴う社会保障の縮小です。社会保障の費用は、国家の一般会計の1/2以上を占めます(27兆円)。これから高齢化が進む中で、国家財政は破綻寸前だと言われて久しいですよね。その財源確保の方法としては、今のところ3つの方法があるでしょう。①サービスの範囲を縮小する。②国民の税負担を大きくする。③民間が社会保障・サービスを代行する。②はもう話が進んでいますよね。消費税の増税です。③を実現させようと思うと、必然的に①を伴います。つまり行政の負担を減らして、民間(公共と言ってもいいでしょう)が代わりにその担い手となる。(関連本:地域社会圏主義)
■僕たちは社会的サービスの「受け手」じゃなく「担い手」
もしかしたら友達が公的扶助の対象になる日が来るかもしれません。社会全体として、介護や生活保護などの領域は、「官」ではなく、市民を中心とした「公」が担う時代がもうすぐそこにあります。これはきっとずっと言われてきたことでしょう。ですが、将来その担い手となる僕たち市民にはその覚悟はあるでしょうか?NPOや社会起業家という言葉がもてはやされて久しいですが、その運営は本当に大変でしんどいです。フローレンスの駒崎さんのような素晴らしいロールモデルがいても、それを推進するのは単体の個人や組織ではなく、あくまで社会全体です。困った人、助けを必要としている人、もっと広く社会的な問題を自分たちの問題として認識できるかが問われていると思います。
僕たちは、失業手当とか、介護保険とか、年金とか、既存の社会保障に代わる「担い手」となるときがきています。サービスの「受け手」だけではなく、「担い手」になるときがきている!ということをお伝えしたかったのです。お上がなんとかしてくれるという古い固定観念も真剣に取り去ることを考えなければいけないと思います。赤の他人の世話ばかり見ていられない。それはもちろんそうでしょう。僕たちの時間もお金も限られています。ですが、友達同士や、ご近所さん、あるいはシェアハウスやコミュニティなどの中で、何かあったら互いに助け合える関係の構築こそ大切なのではないかと思うのです。NPOとか社会起業家がすごいすごいと言うよりも、その周辺の僕らが社会全体としてそのような活動をサポートできるのか、あるいは、そういう団体ではなくとも助け合える関係をどうやって築いていけるのかを考えなければいけないと思います!
■ワクワクする関連記事・本をご紹介!
①ご近所づきあいを楽しくデザイン!
関連記事:greenz.jp「家を建てるだけで終わりじゃない!”ご近所づきあい”までもデザインする建築プロジェクト「いえつく」」(これは素晴らしい記事。西荻窪での「いえつく」プロジェクト。住まいだけではなく、ご近所さんとの関係作りまでデザインしてしまうという読んでいてワクワクする記事!)
②市民が相互に助け合える「場」づくりがこれから必要!
関連本:地域社会圏主義(住まいの領域からシェアハウスならぬ500人規模のシェアコミュニティを提案。プライベート空間は小さく、パブリック空間は大きく。それぞれの強みを持ち寄って住人が相互に助け合える楽しい空間作りをデザインしています。激おすすめ!)